龍 應台(りょう おうたい、1952年2月13日 - 、女性)は、中華民国(台湾)のエッセイスト、文化評論家である。胡美麗というペンネームを使用することもある。

龍の辛辣で批判的なエッセイは台湾の民主化に貢献し、中国本土の主要新聞にコラムを持つ唯一の台湾人作家として、中国本土でも影響力のある作家となっている。著書は17冊ある。

作家としての活動のほか、台北市の初代文化局長(1999年 - 2003年)、中華民国の初代文化部長(2012年 - 2014年)を務めた。

若年期

父の龍槐生は中国国民党の憲兵で、1949年の国共内戦で国民党が敗れたときに、一家で台湾に居を移した。5人兄弟の第2子である。

国立台南女子高級中学を卒業後、国立成功大学で外国語と文学の学士号を取得し、カンザス州立大学で英米文学のPh.D.を取得した。

経歴

台湾に帰国後、『中国時報』紙で台湾の諸情勢をテーマにした論説コラムを執筆した。このエッセイは1985年に社会政治批判の本『野火集』として出版された。当時は台湾がまだ国民党の一党支配下にあり、「この島の民主化に影響を与えた」と評されている。1987年にドイツに移住した。これは、作品への反響の中に殺害の脅迫を含むものがあったためである。龍のエッセイを翻訳したものが、『フランクフルター・アルゲマイネ・ツァイトゥング』などのヨーロッパの新聞に掲載された。龍の作品は、1990年代初頭から中国本土の新聞に掲載されるようになった。龍の著書には、『孩子你慢慢來』(1994年)、『銀色仙人掌:龍應台小說集』(2003年)、『百年思索』(1999年)、および、2006年の雑誌『氷点週刊』の一時停刊についての胡錦濤への公開書簡である『請用文明來說服我』(2006年)などがある。1994年には、「幸好我不是新加坡人」(幸い私はシンガポール人ではない)という記事で、シンガポールのリー・クアンユーとその政府による個人の自由に対する制限を批判した。

1999年9月に台湾に帰国し、台北市の初代文化局長に就任した。4年間の任期中に台北市の芸術の知名度を高める政策を行った。2003年3月に辞職し、執筆活動に復帰したが、このとき「役人という仕事は息苦しい。ほとんど息ができなかった」と述べている。

2004年から2006年まで香港大学新聞・メディア研究センターの客員教授を務めた。2005年7月には、文学・芸術活動や学術的な講義を後援するためのプラットフォームとして「龍應台文化基金会」を設立した。2007年には、監察院の監察委員の職が提示されたが辞退した。2008年に香港大学の孔梁巧玲傑出人文学者、台湾の国立清華大学の主任教授に就任した。 2009年には、国立成功大学から李国鼎賞を受賞した。

2008年には『目送』が出版され、アジア全域で人気を博した。この本は、龍が遭遇した困難や障害、特に家族との関係を描いた74の散文作品を集めたものである。

2009年の著書『大江大海一九四九』は、国共内戦と中国国民党の台湾撤退を描いたものである。台湾では10万部以上、香港では1万部以上売れたが、この本の発売後、中国本土で龍の作品に関する議論は禁止された。

文化部長として

2012年5月に行政院に文化部が設立され、その初代部長(大臣)に就任した。

龍は2012年5月21日に文化部長に就任し、政治的な影響を受けないようにしたいとの意向を表明した。2年7か月の在任期間中、読書、テレビ文化、両岸交流などに取り組んだ。2014年12月1日に龍は文化部長の職を辞任した。母の高齢化が主な理由だったが、政治やメディアからの敵対心も原因に挙げていた。

私生活

1980年代後半に移住したドイツでドイツ人男性と結婚し、2人の息子をもうけた。この期間には龍はインタイ・ヴァルター(Ying-tai Walther)とも呼ばれていた。その後離婚した。龍の著書『親愛的安德烈』(Dear Andreas)は、龍と長男との間の手紙や電子メールを集めたものである。

脚注

外部リンク

  • 龍應台 - Lung Yingtai (龍應台-Lung-Yingtai-1388668931448060) - Facebook
  • Lung Ying-tai page at National Tsing Hua University (中国語)
  • (Live-webcast) Professor Lung Ying-tai's New Book Launch & Lecture
  • “A question of civility: an open letter to Hu Jintao”. OpenDemocracy (2006年2月15日). 2010年1月30日閲覧。

龍應台:由上而下的歷史記憶,常常不能反映完全的真實風傳媒

政壇:龍應台從政評論收晒火 太陽報

龍應台《人生四書》選摘(1):在時光裡風傳媒

歷史新新聞》不拿德國籍「絕對不是因為愛國」 1992年的龍應台亟欲奔出《野火集》陰影新新聞

龍應台首部圖文作品發表(3)(圖) 中央通訊社 LINE TODAY