おもちゃ箱』(フランス語: La Boîte à joujoux)L.128は、クロード・ドビュッシーが作曲した全4場からなる子供のためのバレエ音楽である。ピアノ、またはオーケストラで演奏される。

作曲の経緯

1913年に愛娘エンマ(愛称シュシュ)のために音楽を作曲しようと思い立ったことから始まる。ドビュッシーは挿絵画家のアンドレ・エレ(1871年 - 1935年)と親交をしていたが、同年2月頃にエレがドビュッシーに『おもちゃ箱』と題された絵の付いたアルバム集(道徳的な物語)を見せ、これに強い印象を受けて、エレの絵本と台本に基づいたピアノ曲として同年に作曲を始め、10月に全曲を完成した後にエレの挿絵を伴って出版された。

ドビュッシーは同年に管弦楽版として編曲作業に着手し、アンドレ・カプレと協力して1914年春に全体のスケッチを書き終わらせている。しかしドビュッシーが1918年に没したため、未完に終わり、カプレが残されたスケッチを基に補筆する形で完成させている。この管弦楽版は1920年に出版された。

初演

1919年の12月10日にパリのリリック劇場で行われた。この時はデジレ=エミール・アンゲルブレシュトの指揮、キノーの振り付けと演出、アンドレ・エレが衣装と舞台装置をそれぞれ担当した。

管弦楽版の楽器編成

  • 管楽器:フルート2、オーボエ2、クラリネット2、ファゴット2、コーラングレ
  • 金管楽器:ホルン2、トランペット2
  • 打楽器:ティンパニ、バスドラム、トライアングル、シンバル、タンブリン、ガラガラ
  • その他:弦五部、ピアノ、ハープ、チェレスタ

構成

プロローグとエピローグの付いた各4場から構成される。演奏時間は約29分ないし30分。

  • プロローグ:前奏曲(Prélude)
  • 第1場 おもちゃ屋(Le Magasin de jouets)
  • 第2場 戦場(Le Champ de bataille)
  • 第3場 売りに出た羊小屋(La Bergerie à vendre)
  • 第4場 財産ができてから(Apres fortune faite)
  • エピローグ(Epilogue)

脚注

参考資料

  • 『作曲家別名曲解説ライブラリー ドビュッシー』(音楽之友社)
  • 『ドビュッシー:管弦楽曲集』(エルネスト・アンセルメ指揮,スイス・ロマンド管弦楽団,デッカ)のブックレート
  • 『ドビュッシー:作品集』(サイモン・ラトル指揮,ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団,EMI)のブックレート

外部リンク

  • おもちゃ箱の楽譜 - 国際楽譜ライブラリープロジェクト

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